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海賊とよばれた男・日章丸事件におけるイランとの関係!7人の魔女とは?

2018/10/19
 

高度成長期の日本。
成長するためには何と言ってもエネルギーが必要である。

エネルギーの代表格・石油。
高度成長期の中では石油技術は欧米の石油メジャーが握っており、欧米以外の国々はたとえ自国に石油が埋蔵されていてもそれを指を加えて見ていることしかできなかった。

日章丸事件とは?

大英帝国(イギリス)の占領下にあったイランは当時世界最大の石油油田を持ちながら、利権をイギリスに持って行かれ、
産油国の民衆にまでその恩恵が渡っていなかった。

イランに渡った利益は全体の半分程度だったと言われている。

その中で海賊とよばれた男のモデル・出光佐三は当時日本最大のタンカーだった日章丸でイギリス海軍の圧力に耐えながら突破し、イランから石油を輸入した事件でイギリス、イラン、日本の間の国際的な衝突を指す。

当時のイランの状況

第二次世界対戦で連合国に破れたイランは同国の最大の資源である石油をイギリスに抑えられていた。

ここで
「なぜそんなことが許されるのか?」
と思う人も多いが、石油の精製には高い技術力が必要で、蒸留技術(分離する技術)は20社ほどしかもたなかった。

現代で言えば、スマホアプリがこれに当たるだろうか。
いかに優秀なアプリでもハードを握っている
グーグル(アンドロイド)
アップル(iphone)
に一定の使用料を払わなくてはならない。

その使用料が著しく高くなると当時のイランのような状況になるだろう。

イランの対日好感度の上昇につながる

世界から経済制裁下にあり、困窮していたイランはこの事件を好意的に受け入れている。

対等な貿易ができない状況下で自国に利益がある取引ができるようになったからである。

怒ったイギリスの石油会社は東京地裁に提訴した。

しかし、イギリスの石油独占を快く思っていなかったアメリカの黙認、この事件を日本・イランの国民が歓迎しているから訴えを棄却される。

7人の魔女とは

大手石油会社の総称

1 スタンダードオイルニュージャージー
2 ロイヤル・ダッチ・シェル
3 アングロペルシャ石油会社
4 スタンダードオイルニューヨーク
5 スタンダードオイルカリフォルニア
6 ガルフ石油
7 テキサコ

7人の魔女のその後

石油関連で独占的な権力を持っていたが、
湾岸諸国内で資源ナショナリズム(自国の石油は自分たちのもの)が高まる中で石油輸出国機構(OPEC)が設立。

OPEC側が石油価格に強い影響力を持つようになったため、7人の魔女の影響力は段々と下がっていった。

上記のように当時は20社程度しか持たなかった蒸留技術も2000年代に入ってからは2000社以上が行えるようになっており、激しい競争に巻き込まれている。

石油需要も新興国では引き続き高い伸びを見せているが、先進国では石油以外の需要も増え、石油単体の需要の伸びは頭打ちになっている。

激しい競争の中で7人の魔女も経営統合が相次ぐ。
1-7のうち

1と4は合併してエクソンモービル
5・6・7・は合併してシェブロン
になり、経営合理化を見せている。

以上から石油メジャーは総合エネルギー商社への転換を見せている。

まとめ

・イランは産油国ながら利権の多くをイギリスに持って行かれていた。
・出光佐三はイギリス海軍の圧力を受けながらイランから石油を輸入した。
・イギリスは日本で裁判を起こしたが世論が味方せず裁判で負けた。
・当時は石油の精製技術を少数の会社が独占していた。
・現在は激しい競争の中で経営統合が行われ、会社の業態も変わってきている。

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