かぐや姫の物語でかぐや姫が走った理由は?走るシーンの表現の意味とは?
かぐや姫の物語には名シーンが沢山あります。
その中でも一番衝的なシーンはかぐや姫が着ている着物を全て脱ぎ捨て全速力で走っていくシーンです。
このシーンでかぐや姫の顔の表情を写したカットがあるのですが、鬼のような形相をしていて恐怖を覚えました。
今回はかぐや姫が全速力で走った理由と全てを脱ぎ捨てていった表現について深掘りしていきます。
かぐや姫が走った理由は?
かぐや姫が全速力で走り出すシーンがありますが、走った理由についても気になる方もいると思います。
僕も個人的に気になったので調べてみました。
どうやら、宮で行われた貴族達が集まる宴会が行われ、かぐや姫が部屋の中で待っている状態でした。
この時はまだ、貴族達に顔は知られていません。
その中、ある貴族が「かぐや姫の顔を早く見せてくれてもいいじゃないか」と言います。
そこで、翁は辞めてくださいと貴族の事を静止しますが、その叫びを聴いていたかぐや姫は耐えられなくなり、宮を飛び出し走って出ていってしまいます。
かぐや姫は自分が人としての扱いではなく、モノのように扱われている事に嫌気がさしたのだと考察します。
美しいという噂だけで、貴族達が集まり求婚を申しでてくる。
かぐや姫という人物ではなく、美人なお姫様という名前だけで結婚を申し込まれても全然嬉しくないですし、悲しいですよね。
走るシーンの表現の意味とは?
かぐや姫が飛び出して、着ていた着物を一つ一つ脱ぎながら全速力で走っていくのですが、このシーンの表現の意味について気になりました。
姫という身分の為、平民が着る事が出来ない高級な着物です。
僕として思ったのは、かぐや姫は姫という立場がずっと嫌で我慢をしていた。
自分の名前しか見ていない貴族の男達やセクハラをする帝。
そんなストレスの中で、貴族が放った一言により、かぐや姫の堪忍袋の緖が切れたのだと思います。
着物を脱ぎ捨てていくシーンで高畑勲監督が伝えたかったのは、かぐや姫が全てを捨てリセットをしたいという強い願いを表現したのだと考えます。
高畑勲監督が語っていたのは、かぐや姫の異常なほどの走力は人間ではなく、月の天人だという事を表現しているとの事でした。
また補足情報として、かぐや姫が走るシーンはアルプスの少女ハイジの影響を受けていて、ハイジでも同じシーンがあるとか。
このシーンの絵はパソコンで色を付けたのではなく、一枚一枚手作業で水彩で塗っているとの事で、プロデューサーは、この作品は絶対完成しないと思ったそうです。
僕もこのシーンを初めて観た時は衝撃を受けました、今まで観た事がないアニメーションだったからです。
効率ではなく、良い作品を作るんだ。というスタッフの気持ちが伝わってきますね。
まとめ
■かぐや姫が走った理由は姫という身分と生活に嫌気がさしていて、宴会で貴族が放った「かぐや姫の顔のを見せろ」の一言に堪忍袋の緖が切れて走り出した。
■走るシーンの表現の意味は、着物を全て脱ぎ捨てる事によって全てを捨てリセットをしたいという強い願いを表現している考察する。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!