もののけ姫のエボシは製鉄事業をしていた?たたらばのモデルはどこ?
大ヒット映画、もののけ姫。
1997年に上映され、その時は歴代1位をマーク。
その後、時は流れ上映から20年以上が経ったが未だに歴代7位をキープする化け物級にヒットした映画です。
もののけ姫の構造
簡単に言うと動物と人間の戦いです。
物語が始まるアシタカの呪いも元々はエボシたちとのバトルで負傷したイノシシが呪縛霊のごとくタタリ神になって村を襲いましたからね。
ここで疑問に思うのは
なぜ動物と人間が戦うことになったのか?
ということです。
厳しい自然の時代ですから動物、人間ともに無益な戦いはしません。
背景を見ると止む得ない事情で動物たちの住処である森を破壊して、
“とある事業”のエネルギー源にしていたのです。
エボシの事業がトラブルの原因?
動物たちとのトラブル
エボシは製鉄事業を営んでいました。
鉄を作っていたのです。
鉄を加工するためには膨大なエネルギーが必要となり、そのためには大量の木材が必要でした。
大量の砂鉄と木炭を必要とします。特に木炭。
半端ない量の木材が必要で、一回で鉄づくりで1山を使うくらい膨大なエネルギーが必要でした。
それが定期的に行われるのですから動物たちからしたらたまったものはありません。
侍たちとのトラブル
上記のようにエボシの製鉄業は産業レベルになるくらい優秀な鉄でした。
人間、利益があるとそれを奪いにくるものがいるものです。
地侍から鉄を狙われる立場になりました。
当時は戦争になると”人狩り”と称した女性が売られることがありました。
労働力あるいは遊女として需要があるからです。
エボシはそういった女性を買い取ってたたらばで働かせていました。
ただしここが複雑です。
鉄を売る→侍たちの銃や刀になる→戦争になる→新しい奴隷ができる→たたらばへ流れてくる
という流れがありました。
皮肉なことに自分たちが作っている鉄で戦争が起き、女が売られ、たたらばで働くという流れができていました。
(好循環なのか悪循環なのか?)
モデルとなった場所はどこ?
島根県雲南市吉田町にある「菅谷すがやたたら」です。
参照:http://www.unnan-kankou.jp/contents/spot/111
吉田町でたたら製鉄が始まったのは鎌倉時代だそうでうs。
この時代から中世までは「野だたら」といわれる移動式の製鉄法が行われていました。
・鉄の原料である砂鉄を多く含む土地柄
・木材を運ぶ川
上記の好条件があり、製鉄として名を馳せたのでした。
全国で唯一、今に残る「菅谷高殿」は1751年から170年間の長きにわたって操業が続けられ、1921年まで続きました。
このことは、この地がたたら製鉄を行うのに最適であったことを意味しています。
まとめ
1.エボシは製鉄業を営んでいた。
2.製鉄業には膨大な砂鉄と木材が必要であり、1山を破壊するくらいの木材が必要だった。
3.自分たちの住処を壊された動物たちが怒り、攻撃した。
4.たたらばのモデルは島根県にある「菅谷すがやたたら」である。