LCCライオンエア航空墜落の原因は何?格安航空の安全性や事故率は?
痛ましいニュースが入ってきました。
インドネシア・ジャカルタで航空機事故がありました。
2018年10月29日午前8時、インドネシア・ジャカルタを離陸したライオンエア航空JT610便 B737型機が消息を絶ちました。
機体は最大210人が搭乗できるボーイング737型機、海に残骸が発見されたとの情報もあります。
(2018年10月29日16時現在)
この事故を起こした航空会社は格安航空会社。
近年このような格安航空会社は増加の一途を辿っています。
今回の事故を通して飛行機について正しい認識が広まるよう記事を書きます。
Contents
LCCについて
LCCとは?なぜ安い?
Low-cost carrierの略です。
細かい歴史は省きますが、LCCが台頭する前は日本なら国内、東京〜札幌で6-7万円するのが当たり前の時代がありました。
しかし、LCCが台頭した今、東京〜札幌間では往復2万円のもの、キャンペーンなどを使えば往復数千円の航空券すらあります。
中には目玉商品として数百円の航空券まであるのだから驚きです。
しかし、このLCC。
多くの人が
安全性を犠牲にして安くしているのではないか?
という疑念があります。
LCCは安全なの?
安全です。
そもそも飛行機が事故を起こす確率は相当低いです。
毎週往復つまり週2回、年間104回飛行機に乗って事故が起きる確率は
1/3900と言われています。
つまり上記のような生活を送ってていも3900年に1度しか事故は起きないのです。
飛行機事故自体はインパクトが大きく、一度にたくさんの人がなくなるため、強烈な印象が大きいものです。
しかし、それは印象の差であって、自動車の方が遥かに危険だと言えます。
10万人あたりの事故率で言えば、車の方が飛行機より330倍も危険です。
参照:http://news.livedoor.com
次に気になるのはLCCの値段です。
なぜ安全性を犠牲にせず安い価格を維持できるのでしょうか。
それには限界まで効率性を高めて安くしている側面があるのです。
LCCはなぜ安いの?
座席数の増加
LCCは一般的な航空機より狭くしてあります。
おそらく乗られた経験がある方はJALやANAより狭いと感じるでしょう。
こうして一機あたりの搭乗人数を増やして利益率を高めています。
手荷物の制限
イメージであれば、カウンターで手荷物を預け、飛行機に乗り、到着したら手荷物を受け取る。
そんなイメージがあるかもしれません。
しかし、LCCはそんなことはなく、手荷物に制限があります。
筆者が利用した東京〜台湾であれば手荷物は2つまで、リュック+1つのみでした。
これには燃料費が大きく関わっています。
飛行機のコストの25%は燃料であるため、機体が重くなればなるほど燃料費が上昇することになります。
手荷物の制限は
・荷物スペースの縮小→座席数の増加
・重量の軽減
といった意味があります。
機内食や無料サービスの廃止
飛行機の機内食は一つ、旅の楽しみかもしれません。
しかしながらこういった機内食は航空券にサービス費として含まれています。
LCCでは基本的に機内食は有料になりますし、ないものを多いです。
場合によっては機内販売もなく、余計なサービスを極限まで抑えているわけです。
人気空港は使わない
日本であればLCCの中心地は成田空港と言えます。
都心に住んでいれば感じられることですが、成田空港は非常に遠い印象です。
特に成田空港第三ターミナルは成田空港に着いてから20-30分かかることになります。
人気で言えばそういった空港は低いもの。
しかし、飛行機には着陸料や駐機料もかかっているため人気のない空港は比較的安いということが言えます。
LCCというよりはライオンエア自体に問題?
2007年にEUでの操業停止命令
ライオンエアだけでなくインドネシア全体の航空会社にEUでの航行停止命令を受けています。
これは安全性に懸念があるもので2017年1月まで実に10年間もEUで操業ができませんでした。
2017-2018年に安全性が認められる
そんなライオンエアであったが、
2017年には上記の通りEUでの操業が認可され、
2018年には国際民間航空機関(通称ICAO)から最も安全性が高かったと認定を受けている。
ここ5年の事故、不祥事
2014年2月1日ライオン航空361便が、 222名の乗客と乗組員が搭乗し、滑走路上で4回も激しく跳ね上がり、テールストライキと飛行機に大きなダメージを与えた。致死傷はなかったが、2人の乗客は重傷を負い、3人は軽傷を負った。
2016年2月20日ライオン航空263便が滑走路をオーバーランしました。
乗務員の管理不足だったとされています。怪我人はなかったものの国家安全委員会から改善を促されています。
2017年4月2日には、およそ300リットルの燃料が機体から漏れていることが発覚、ライオンエアの代表がインドネシア運輸省に召喚されています。
2018年4月29日には、豪雨時に着陸した際に主翼を損傷しています。怪我人はありませんでした。
といった感じで以前から事故は定期的に発生したようです。
そして見る限り、重大な不祥事と言えます。
正しい情報の認識を
2001年のアメリカ同時多発テロではそのインパクトから飛行機についての安全性が疑われて、多くの人が飛行機ではなく、車といった代替手段を使いました。
結果、交通事故の数は上昇して返って死者を増やす結果になってしまいました。
目の前のインパクトより全体を見る必要があります。
仮に今回の事件を気にして移動手段を変えることは長い目で見れば事故率を上げることになるのです。
以上のことからライオンエア航空個別の事件であり、LCC全体は依然として安全性が高いと言えます。
まとめ
1.飛行機事故は自動車事故に比べると非常に珍しい。確率として330倍も違う。
2.LCCが安いのは安全性を犠牲にしているわけではなく、余計なサービスをつけていないため。
3.ライオンエア航空は依然はEUで操業を禁止されるなどブラックリスト入りの航空会社だった。
4.2018年には安全性を国際的な機関から認証を受けていたが、ここ5年間で事故は起こっていた。