自衛隊ポスター問題!アニメキャラの「下着チラ見え」疑惑に批判殺到!
自衛官募集のポスターが批判を受けています。
ポスターに使われている女の子たちのアニメイラストで「パンツが見えているのでは?」との指摘を受けたことが発端です。
詳しく見ていきましょう。
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批判殺到の自衛官募集ポスターはこれ!
こちらは防衛省自衛隊滋賀地方協力本部(大津市京町3丁目)が作成した自衛官募集のポスターです。
地方協力本部は自衛隊の広報活動などを行う部隊で、隊員を募集するのが主な仕事。
実は各都道府県ごとに協力本部があり、それぞれ独自に募集活動を行っています。
今回問題になっているのは滋賀地方協力本部が作ったポスターです。
小さい絵なのでわかりにくいかもしれませんが(^^;
女の子たちの腰のあたりをよく見ると、上着とは違う色のものが、上着の下からチラッと見えています。
これが「パンツがチラ見えしている」ようにも見えることから、ネット上で「セクハラだ」と批判を受けていました。
同本部は「アニメの既存の図柄を使用している。指摘の着衣は、下着ではなくズボンだという設定で、適切な範囲だと考えている。多くの人から評価を得ている」と説明しているようです。
この説明をうけて、さらに批判が高まっています。
アニメの設定では「パンツではない」としても、知らない人にはパンツ姿に見える少女たちをポスターに載せてもいいのでしょうか?
取り上げられているアニメは何だろう?と疑問に思ったので調べてみました。
ポスターのアニメは「ストライクウィッチーズ」
人気メディアミックス作品「ストライクウィッチーズ」の総合プロジェクト「ワールドウィッチーズ」とコラボしたのが今回のポスターだったようです。
実は4月9日から東京MX系列で『ストライクウィッチーズ 501部隊発進します!』が放映開始なんですよね。
2020年には『ルミナスウィッチーズ』、2021年には『ストライクウィッチーズ RtoB』もアニメ化が決定しています。
この一連のシリーズを「ワールドウィッチーズ」と呼ぶようですが、今回は「ストライクウィッチーズ」とのコラボでした。
昨年11月から自衛官募集ポスターを展開、TVアニメ放送10周年を記念したイラストバージョンもあり、県内各所に掲示されているようです。
私達が、第501統合戦闘航空団「Strike Witches」だ!! #ストパン pic.twitter.com/chLxzdKiED
— エーリカ・ハルトマン (@_Erika_Hartmann) 2019年2月22日
↑↑↑ご覧いただくとわかる通り、この作品のキャラクターは下半身に下着や水着のようなボディスーツを着用しています。
作品のキャッチフレーズが「パンツじゃないから、恥ずかしくないもん!」ということで、これは「パンツではない」という設定で楽しむのがお約束。
しかし、その設定を知ってもなお、動画を見るとパンツにしか見えません・・・
自衛官募集は18歳以上33歳未満の若者層がターゲット。
その層に興味を持ってもらうため、ポスターに萌え系キャラクターを使うケースが多いようですね。
今回は萌え系キャラに問題があったのではなく、その服装に問題があったと思います。
そこまで際どいことをしないとターゲットの興味を引くことができないのでしょうか?
そう思って調べると、他の地方協力本部では全く路線の違うポスターが作られ、話題になっていたことがわかりました。
最近話題になった別の自衛官募集ポスターはこれ
実は今回のような批判ではなく「これは面白い」と話題になった自衛官募集ポスターでした。
自衛隊長野地方協力本部(長野地本)が作成したこちらのポスターなんです。
2018年6月25日から6月30日まで長野県下の路線の中吊り広告として使用していたそうです。
制作を手がけたのは県庁嘱託のデザイナーで、長野地本の担当者ともども女性だったとか。
先ほどもお伝えした通り、最近の自衛隊のポスターは萌えキャラを使ったものが目立ちます。
ですが「もっと広い層にアピールしたい」ということで、「パッと見だけでは自衛隊のポスターだと分からないような、話題性、意外性のあるデザインにしたい」とデザイナーに伝えたといいます。
担当者が「やわらかいメッセージと同時に意図がうまく伝わるよいものになったと思います」と話していたようですが、センスいいですね!
SNSでの反応は「誰も不愉快にならない良いポスター」「自衛隊の理念に準拠しつつ、きちんと笑いをとっている」「動物園などのポスターに見えて宣伝効果が薄いのでは」など様々だったようですが、今回のような批判はありませんでした。
話題になった二つのポスターの違いは何か?
自衛官を募集するポスターにふさわしいかふさわしくないか、何を基準に判断すればいいのでしょうか。
地方協力本部は自衛隊の広報活動などを行う部隊で、隊員を募集するのが主な仕事、とお伝えしましたよね。
- 誰が見ても自衛隊に好意を持ってもらえる内容にする⇒広報に貢献
- 募集対象者には女性もいるので、男女問わず受け入れやすい表現にする⇒募集に貢献
この二つは外せない条件だと思います。
だって、税金を使うんですから。任務は目的に忠実に遂行していただかないと困ります。
滋賀のポスターは、「性的な要素が公務員である自衛官にふさわしくない」もので「明らかに男性がターゲット」と受け止められました。
逆に長野のポスターは、「パンダと自衛官のイメージのギャップが面白い」と「男女問わず」受け止められました。
街中の、誰もが意図せず見てしまう場所に貼られるのがポスターです。
アニメは見るか見ないか自分で選ぶことができますが、ポスターはいやでも目に入ってきます。
下着姿の少女たちを見たい人ばかりじゃないし、それを公務員の募集のポスターに使う発想はおかしいんじゃないか?という感覚はごく一般的だと思います。
外国人からはどう見えている?
実はこの記事の筆者は元自衛官です。
私が在籍していた当時(約20年前)から、アニメポスターは登場していました。
当時、諸外国の軍事関係者から何度か質問を受けたことがあります。
「日本ではアニメの絵で隊員を募集するのか?あのポスターに問題はないのか?」と、本当に真剣に尋ねられました。
「問題はない。逆に興味を持ってもらえる。」というと「ありえない」と肩をすくめる様子を何度か見ました。
最も「マッチョ」で「強い」イメージを打ち出すべきところに可愛らしい少女や少年のアニメイラストが使われるのが不思議でならなかったようです。
今回も少し調べてみましたが、やはり今でも同じような感覚のようですね。
まとめ
・滋賀地方協力本部が作成した自衛官募集のポスターが批判を受けている。
・話題になっているポスターには「パンツじゃないから、恥ずかしくないもん!」がキャッチフレーズのアニメ「ストライクウィッチーズ」のキャラが登場。上着の中に下着のように見えるズボンやボディスーツをつけた姿が問題視されている。
・昨年長野地方協力本部が作成したパンダの自衛官募集ポスターも話題になったが、ゆるいパンダの絵と自衛官とのギャップが好意的に受け止められた。
・外国人から見ると自衛官を募集するポスターにアニメの絵が描かれていることには違和感がある。
人気アニメの女の子の絵を使っておけばとりあえず若い男性の気を引けるのではないか?という、ある意味安易な発想から生まれたともいえる今回の騒動。
いざという時の自衛隊の判断が、今回のような発想で行われないよう祈るしかないですね。