死の秘宝でスネイプの涙の理由は?憂の篩で記憶をハリーに渡すため?
「ハリー・ポッターと死の秘宝」で、蛇のナギニに咬まれ殺されてしまうスネイプ。
「僕を・・・見て・・・くれ・・・」
第7巻第32章より
これが彼の最期の言葉でした。
彼が見てほしかったものは、一体何だったのでしょうか?
涙で記憶を渡すため?
スネイプは死に際の苦しい息のなかでハリーに伝えます。
「これを・・・取れ・・・これを・・・取れ・・・」
血以外の何かが、スネイプから漏れ出ていた。青みがかった銀色の、気体でも液体でもないものが、スネイプの口から、両耳と両目からあふれ出ていた。第7巻第32章より
スネイプの口や両目両耳からあふれ出ていた
銀色の物質は、涙ではなく記憶なのです。
憂の篩(ペンシーブ)とは?
ダンブルドアの説明を引用しますね。
「時々、感じるのじゃが、この気持ちは君にもわかると思うがの、考えることや想い出があまりにもいろいろあって、頭の中がいっぱいになってしまったような気がするのじゃ」
(中略)
「そんなときにはの」
ダンブルドアが石の水盆を指差した。
「この篩を使うのじゃ。溢れた想いを、頭の中からこの中に注ぎ込んで、時間のあるときにゆっくり吟味するのじゃよ。このような物質にしておくとな、わかると思うが、どんな行動様式あのか、関連性なのかがわかりやすくなるのじゃ」
第4巻第30章より
憂いの篩の縁にはルーン文字や記号が刻まれています。
杖で額から人間の記憶を取り出して注ぐと、他人や第三者でも記憶を見ることができる不思議な性質の魔法道具です。
この道具について作者がインタビューで語っているところによると、自分が気づいていなかったことも含めてその時の「事実」を追体験できるもののようです。
他者の記憶をパクれると言えます。
砂金取りが篩を濯いで(すすいで)金を見つけるように憂いの篩の中身を揺すると思い出の人が銀色の姿で現れ、思い出を語ります。
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渡した記憶の中身は?
- スネイプがハリーの母リリーと幼い頃から親しかったこと
- ホグワーツでは寮が別々になり、リリーがジェームズと親しくなり寂しさを感じていたこと
- 闇の魔法に魅了され死喰い人となっていたもののリリーを守るためにダンブルドアに寝返ったこと
- リリーと同じ目を持つハリーを命がけで守ることを決意していたこと
などリリーへの深い愛を感じさせるエピソードや
- ダンブルドアに死期が迫っていたこと
- ヴォルデモートにスネイプが仲間だと信じさせるため、ダンブルドアの考えでスネイプがダンブルドアを殺害したこと
- ハリーは、ヴォルデモートを倒すために自らの命を犠牲にする必要があること
が語られ、最後に
- スネイプの守護霊が牝鹿(めじか)であること
が明かされました。
スネイプ先生とは?
スネイプは、ホグワーツ魔法魔術学校で魔法薬学の教諭、闇の魔術に対する防衛術教授、校長を担当した人物。
第一巻からずっと物語で重要な役割を果たし、ハリーたちからは常に憎まれる役どころでした。
しかし不死鳥の騎士団メンバーでもあり、2度にわたる魔法戦争ではダンブルドア側の二重スパイとして、ヴォルデモート卿打倒のための重要な役割を果たしました。
先ほどの項目でスネイプの守護霊が牝鹿(めじか)である、と書きましたがこれは驚くべきことです。
というのは、ハリーの母リリーの守護霊が牝鹿(めじか)だからです。
守護霊とは、闇の魔力に対抗するため呪文によって呼び出される銀色に輝く動物の霊です。
登場人物一人一人が異なる守護霊を呼び出します。
作中で全く同じ守護霊を作り出すのは、スネイプとリリー、ハリーとジェームスの二組だけ。
ちなみにハリーの守護霊は牝鹿(おじか)で、ハリーの父ジェームスと同じ。
漢字が同じで読み方だけ違うところが、紛らわしいですが(笑)
それだけ彼ら4人の結びつきも強いということでしょう。
スネイプ先生は、ハリーの母リリーへの愛を貫き、リリーの瞳を持った一人息子を守るためにその身を捧げた人なのです。
まとめ
1.ハリーが憂の篩で見たのはスネイプの記憶。
2.記憶の中でハリーの両親とともに魔法学校で成長していく様子。
3.ハリーのためにヴォルデモートのスパイとして侵入したこと。
改めて第一巻から読み返して、スネイプ先生活躍の軌跡をたどるのもまた一興かもしれません。