白い巨塔の語源や由来は?バベルの塔と象牙の塔のどちらなの?
2019年に岡田准一主演で「白い巨塔」が地上波で登場することになりました。
1966年の田宮二郎氏主演から直近の2003年の唐沢寿明主演のものまで何度となく好評を博してきました。
そして今回岡田准一さんが主演ということで今からワクワクが止まりません。
何と5夜連続とのこと!キャストもこれから続々と決まっていくことでしょう。
白い巨塔とは?
山崎豊子の長編小説。
浪速大学に勤務する財前五郎と里見脩二という対照的な人物を通し、医局制度などの医学界の腐敗を鋭く追及した社会派小説です。
医者の友人に聞くに、公務員や大企業のサラリーマン以上に
医局は旧態依然な体制だそうです。
サラリーマン顔負けの出世争い、政治家顔負けの選挙対策はまさに権謀術の最前線といったこところです。
財前五郎→出世欲の塊だが優秀
里見脩二→出世欲ゼロだが優秀
という2人の同級生の関わり方も非常に興味深いものでした。
そんな白い巨塔。
その語源や由来について2つの説があります。
白い巨塔の語源や由来は?
バベルの塔?
バベルの塔旧約聖に登場する巨大な塔とのことです。
実現不可能な天に届く塔を建設しようとして、崩れてしまったといわれることにちなんで、空想的で実現不可能な計画を比喩的に「バベルの塔」と言います。
権力闘争に明け暮れる財前→天に届くよう努力する
塔が崩れる→道半ばで癌で亡くなる財前
といったことを表しているのではないかといったもの。
象牙の塔?
文芸批評家が詩人の芸術姿勢を批評した言葉。
「象牙の塔にこもる」という表現で、芸術家、学者が現実逃避的態度で自己の理想にこもり、芸術または学問三昧(ざんまい)にふけることを意味します。
もともとは「あなたの頸(くび)は象牙の塔のようである」と女性の美しさをたたえることばで、転意して伝えられています。
俗世間離れしている医局を示しているとされています。
語源・由来となったのは・・・
象牙の塔が有力です。
物語全体を考えると財前五郎一人の生死に焦点が当たった作品ではなく、
教授選や医療ミスによる裁判が本作の目玉です。
そう考えると
本来は医療行為に当たるべき医師が権力闘争や裁判と本来かけ離れたところで尽力する姿を描いてます。
象牙の塔の方がタイトルにぴったりです。
そして医者のシンボルである白衣。
医師であること+象牙の塔=白い巨塔となったのでしょう。
まとめ
1.白い巨塔の語源・由来には「バベルの塔」「象牙の塔」の2つがある。
2.白い巨塔の目玉は教授選や医療ミスによる裁判といった人間模様である。
3.バベルの塔が語源では主人公の生死だけの話になる。
4.現実と理想が乖離した意味を含む象牙の塔はタイトルの意味に近い。よって象牙の塔が語源・由来である。